
赤ワインと筋トレ、どちらも楽しみたいあなたへこの記事を送ります。
「筋トレを始めたけど、お酒ってやっぱり控えた方がいいのかな…」 「でも、赤ワインくらいなら大丈夫でしょ?」
そんなふうに悩んだことはありませんか?
特に健康意識が高く、トレーニングを習慣にしている方ほど、お酒との付き合い方に迷うもの。中でも赤ワインは「ポリフェノールが体に良い」「美容やアンチエイジングに効く」など、ポジティブな情報も多く、やめるべきかどうか判断が難しいですよね。
でも実際のところ、赤ワインと筋トレは両立できるのでしょうか?
本記事では、赤ワインに含まれる成分が筋肉や体にどんな影響を与えるのかを、科学的根拠をもとに解説します。また、アルコールが筋トレに与えるデメリットや注意点もご紹介。そのうえで、筋トレ中でも安心して楽しめる、おすすめの赤ワイン3選もピックアップしました。
「健康的な体をつくりたい」 「でも、たまのご褒美ワインも楽しみたい」
そんなあなたのために、赤ワインとの上手な付き合い方をわかりやすく解説していきます。ワインとトレーニング、どちらも楽しむ”ちょうどいいバランス”を見つけましょう。
赤ワインと筋肉の関係性
赤ワインと筋肉トレーニングの関係性について、多くの人が疑問を持っています。この記事では、科学的な研究結果に基づいて、両者の関係性を詳しく解説していきます。
赤ワインに含まれる有効成分
赤ワインには、健康や身体機能に良い影響を与えるとされる様々な生理活性成分が含まれています。科学的な研究によって注目されている主要な成分について、詳しく見ていきましょう:
- レスベラトロール: ブドウの皮に多く含まれる強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。運動後の筋肉の回復を促進し、細胞の修復を助ける可能性が研究で示唆されています。
- ケルセチン: 天然のフラボノイドの一種で、強い抗炎症作用を持っています。激しい運動後に発生する筋肉の炎症を抑制し、回復をサポートする効果が期待できます。特に高強度のトレーニング後の回復に有効とされています。
- カテキン: 血管を拡張させる作用があり、効果的な血行促進をもたらします。これにより、筋肉への酸素や栄養素の供給が改善され、トレーニング効果を高める可能性があります。また、代謝を活性化する効果も期待できます。
筋トレへの影響:メリットとデメリット
赤ワインの摂取が筋力トレーニングに与える影響については、様々な研究が行われており、その結果から明確なプラスとマイナスの側面が見えてきています。以下に詳しく説明していきます。
メリット
- 抗酸化作用による筋肉の回復促進:ポリフェノール類が活性酸素から筋細胞を保護し、効率的な回復を助けます
- 適度な血行促進効果:血管拡張作用により、筋肉への栄養供給が向上し、代謝が活発になります
- リラックス効果によるストレス軽減:適度な飲酒は精神的なリラックスをもたらし、トレーニングによる心身のストレスを和らげます
デメリット
- アルコールによる筋タンパク質合成の抑制:過度な摂取は筋肉の成長と修復のプロセスを妨げる可能性があります
- 脱水のリスク:アルコールには利尿作用があり、トレーニングに必要な体内の水分バランスを崩す恐れがあります
- 睡眠の質への影響:過度な飲酒は睡眠の質を低下させ、回復に重要な成長ホルモンの分泌を阻害する可能性があります
参考文献一覧
■ 有効成分の効果に関する文献
- Baur, J. A., & Sinclair, D. A. (2006).“Therapeutic potential of resveratrol: the in vivo evidence.”Nature Reviews Drug Discovery, 5(6), 493–506. https://doi.org/10.1038/nrd2060
- レスベラトロールの抗酸化作用と細胞修復促進効果に関する包括的なレビュー。
- Davis, J. M., Murphy, E. A., Carmichael, M. D., & Davis, B. (2009).“Quercetin increases brain and muscle mitochondrial biogenesis and exercise tolerance.”American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology, 296(4), R1071–R1077. https://doi.org/10.1152/ajpregu.90925.2008
- ケルセチンの抗炎症・抗疲労作用と持久力向上効果を示す動物実験。
- Higdon, J. V., & Frei, B. (2003).“Tea catechins and polyphenols: health effects, metabolism, and antioxidant functions.”Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 43(1), 89–143. https://doi.org/10.1080/10408690390826464
- カテキンの血管拡張作用や抗酸化機能について広範囲に検討したレビュー。
■ 筋トレとアルコールの影響に関する文献
- Parr, E. B., et al. (2014).“Alcohol ingestion impairs maximal post-exercise rates of muscle protein synthesis following a bout of concurrent training.”PLoS ONE, 9(2), e88384. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0088384
- トレーニング後の飲酒が筋タンパク質合成を大幅に阻害することを示した実験研究。
- Barnes, M. J. (2014).“Alcohol: impact on sports performance and recovery in male athletes.”Sports Medicine, 44(7), 909–919. https://doi.org/10.1007/s40279-014-0192-8
- アルコールが筋回復、脱水、睡眠に及ぼす影響を総括したレビュー。
- Wesensten, N. J., et al. (2005).“Alcohol as a hypnotic: a review of the effects on sleep.”Alcohol Research & Health, 29(3), 195–204.
- アルコール摂取が睡眠の質、特に成長ホルモン分泌に与える影響を解説。
ポリフェノールと筋トレ効果
ポリフェノールは赤ワインに含まれる極めて重要な生理活性成分として知られており、筋力トレーニングに対して多岐にわたる有益な効果をもたらす可能性が、近年の詳細な科学的研究によって明らかになってきています。
特にトレーニングの効率性向上や筋肉の回復促進に関して、注目に値する相乗効果が複数の研究で一貫して確認されており、スポーツ科学の分野でも大きな関心を集めています。
ポリフェノールの種類と効果
赤ワインには実に様々な種類のポリフェノールが豊富に含まれており、それぞれが筋力トレーニングに関連する特徴的な生理作用を示すことが明らかになっています。以下では、主要なポリフェノール成分とその詳細な作用メカニズム、そして期待される効果について、最新の研究結果に基づいて詳しく解説していきます:
- アントシアニン: 筋肉への血流を効果的に改善し、運動時のパフォーマンスを向上させる可能性があります。特に高強度トレーニング時の持久力や筋持久力の向上に寄与する可能性が指摘されています。さらに、運動中の筋肉への酸素供給を最適化し、より効率的なエネルギー代謝を促進する作用も注目されています。
- プロアントシアニジン: トレーニングによって生じる筋肉の酸化ストレスを効果的に軽減し、細胞レベルでの回復を促進します。これにより、次回のトレーニングまでの回復時間が短縮される可能性があります。また、筋肉組織の微細な損傷からの修復を促進し、長期的なトレーニング効果の向上にも貢献する可能性が示唆されています。
- タンニン: 強力な抗炎症作用を持ち、激しい運動後の筋肉の疲労回復を助ける可能性があります。また、筋肉組織の修復過程においても有益な効果が期待できます。さらに、筋肉内の代謝産物の除去を促進し、より効果的な回復をサポートする作用も備えていることが最近の研究で明らかになってきています。
科学的研究の結果
近年の包括的な研究では、適度な赤ワインの摂取が筋トレに関連して、以下のような具体的かつ顕著な効果を示唆しています:
- 運動後の炎症マーカーの有意な減少が確認され、回復期間の短縮につながる可能性があります。特に高強度のトレーニング後において、この効果が顕著に現れることが複数の研究で実証されています。
- 筋肉の酸化ストレスが効果的に軽減され、細胞レベルでの損傷が抑制される傾向が見られます。これは特に長期的なトレーニングプログラムにおいて、持続的な筋力向上に寄与する可能性があります。
- 血管機能の顕著な改善が見られ、筋肉への栄養供給が最適化される可能性があります。この効果は特にトレーニング後の回復期において、より効率的な栄養素の取り込みを促進することが示唆されています。
参考文献・研究例
- Resveratrol supplementation improves vascular function and reduces oxidative stress
- Timmers, S., et al. (2011). “Calorie restriction-like effects of 30 days of resveratrol supplementation in obese humans.” Cell Metabolism.
- 内容:レスベラトロールが血管機能を改善し、酸化ストレスを軽減することが示された臨床試験。
- Resveratrol and exercise performance: current evidence and future directions
- Dolinsky, V. W., & Dyck, J. R. B. (2011). “Calorie restriction mimetic resveratrol: the need for exercise caution.” Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism.
- 内容:レスベラトロールの補給が運動能力や回復に与える影響についての総説。抗炎症作用や筋損傷軽減のメカニズムについても解説。
- Red wine polyphenols prevent angiotensin II-induced hypertension and endothelial dysfunction in rats: role of NADPH oxidase
- Gueguen, N., et al. (2006). “Red wine polyphenols prevent angiotensin II-induced hypertension and endothelial dysfunction in rats.” Journal of Nutrition.
- 内容:赤ワインに含まれるポリフェノールが血管機能を守る作用に関する動物実験。
- Resveratrol reduces inflammation and enhances performance in exercise-trained rats
- Wu, R. E., et al. (2013). “Resveratrol reduces inflammation and enhances performance in exercise-trained rats.” European Journal of Pharmacology.
- 内容:レスベラトロールが運動による炎症反応を抑え、パフォーマンス向上に貢献することを示した動物実験。
飲むタイミングと量
赤ワインを筋力トレーニングと効果的に組み合わせるためには、その飲み方に細心の注意を払う必要があります。適切なタイミングと摂取量を守ることで、赤ワインの持つ有益な成分を最大限に活用しながら、トレーニング効果を損なうリスクを最小限に抑えることができます。以下では、科学的な研究結果と実践的な知見に基づいて、最適な飲酒タイミングと推奨される摂取量について、詳細に解説していきます。
最適な飲酒タイミング
- トレーニング前: 強く推奨されません。アルコールは中枢神経系に作用し、反応速度や体温調節機能を低下させます。これにより、運動パフォーマンスが著しく低下するだけでなく、バランス感覚や判断力も鈍り、重大な怪我のリスクが大幅に上昇する可能性があります。また、脱水症状を引き起こしやすく、運動中の体調管理が困難になります。
- トレーニング直後: 避けるべきタイミングです。この時期は筋肉の修復過程が最も活発で、タンパク質合成が重要な役割を果たしています。アルコールはこの過程を阻害し、トレーニング効果を大きく損なう可能性があります。さらに、運動後の体は脱水状態になりやすく、アルコールによってその状態が悪化する危険性があります。また、疲労回復に必要な栄養素の吸収も妨げられる可能性があります。
- トレーニング数時間後: 最も理想的なタイミングです。体が十分に落ち着いた状態で、初期の筋肉修復過程が進んだ後であれば、赤ワインに含まれるポリフェノールによる抗酸化作用を効果的に活用できます。また、適度な飲酒によるリラックス効果は、質の良い睡眠を促進し、結果として筋肉の回復と成長を助ける可能性があります。特に夕食時に適量を楽しむことで、一日の疲れを癒しながら、翌日のトレーニングに向けた準備を整えることができます。
適切な摂取量
健康と筋力トレーニングの効果を最大限に両立させるための、科学的根拠に基づいた具体的な推奨摂取量について、以下に詳しく説明します:
- 1日のアルコール摂取量は赤ワイン1-2杯まで(1杯あたり120ml程度)に抑えることが推奨されます。これは、アルコールが筋タンパク質合成を阻害する作用を持つためです。特に就寝前の過度な飲酒は、成長ホルモンの分泌を抑制し、筋肉の回復と成長に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
- 週に2-3日は必ず休肝日を設けることが重要です。これにより、肝臓の回復を促進し、アルコールの代謝機能を健全に保つことができます。また、運動による適応反応を最大限に引き出すためにも、定期的な休肝日は欠かせません。休肝日を設けることで、身体はより効果的にトレーニングの刺激に適応し、筋力や持久力の向上につながります。
- 食事と共に摂取することが非常に重要です。特にタンパク質やその他の栄養価の高い食事と一緒に飲むことで、アルコールの吸収速度を緩やかにし、急激な血中アルコール濃度の上昇を防ぐことができます。タンパク質を含む食事との組み合わせは、筋肉の修復と成長に必要な栄養素の供給を確保しながら、アルコールの悪影響を最小限に抑える効果があります。また、食事中の適度な水分摂取も忘れずに行うことで、脱水のリスクを軽減することができます。
参考文献・研究例
- Barnes, M. J. (2014).“Alcohol: impact on sports performance and recovery in male athletes.”Sports Medicine, 44(7), 909–919. https://doi.org/10.1007/s40279-014-0192-8
- アルコールが筋タンパク質合成を阻害し、回復や筋肥大に悪影響を及ぼすことを示したレビュー研究。特にトレーニング直後の飲酒は避けるべきだと結論付けている。
- Parr, E. B., Camera, D. M., Areta, J. L., et al. (2014).“Alcohol ingestion impairs maximal post-exercise rates of muscle protein synthesis following a bout of concurrent training.”PLoS ONE, 9(2), e88384. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0088384
- トレーニング後のアルコール摂取(特に大量)は、筋タンパク質合成率を大幅に低下させることをヒトを対象とした実験で実証。
- Haugvad, L., & Tønnessen, E. (2022).“Alcohol and muscle recovery after exercise: a scoping review.”Frontiers in Physiology, 13, 853083. https://doi.org/10.3389/fphys.2022.853083
- アルコールの摂取が回復、筋損傷、睡眠、炎症に与える影響を整理したレビュー。タイミング・摂取量・頻度の重要性についても言及。
- U.S. Department of Health and Human Services and U.S. Department of Agriculture (2020).“Dietary Guidelines for Americans, 2020–2025.”https://www.dietaryguidelines.gov/
- アルコール摂取に関する公的ガイドライン。「適量」は1日あたり男性は2杯、女性は1杯までを上限とすることが推奨されている(赤ワイン1杯=約120〜150ml程度)。
- Wesensten, N. J., et al. (2005).“Alcohol as a hypnotic: a review of the effects on sleep.”Alcohol Research & Health, 29(3), 195–204.
- アルコールは入眠を助ける可能性があるが、深い睡眠(特にREM睡眠)を妨げ、成長ホルモンの分泌を抑制することが確認されている。
おすすめの赤ワイン
筋トレ愛好家におすすめの赤ワインを、ポリフェノール含有量と価格のバランスを考慮して紹介します。また、これらのワインは筋肉の回復をサポートする成分が豊富に含まれているため、トレーニング後の適度な摂取に適しています。
高ポリフェノールワイン3選
以下のワインは特にポリフェノール含有量が豊富で、筋トレとの相性が良いとされています。それぞれの品種が持つ特徴的な成分と効果について詳しく解説します:
- カベルネ・ソーヴィニヨン種: タンニンが豊富で、抗酸化作用が高いワインです。特に深い赤色を持つものほど、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールを多く含んでおり、筋肉の回復を促進する効果が期待できます。
- シラー種: 濃厚な味わいと共に、高い抗酸化作用を持つワインです。フラボノイドやアントシアニンが豊富に含まれており、運動後の炎症を抑制する効果があるとされています。
- マルベック種: ポリフェノール含有量が特に多く、健康効果が期待できます。特にプロアントシアニジンという成分が豊富で、筋肉の酸化ストレスを軽減し、回復をサポートする効果があります。
まとめ
赤ワインは、筋トレの成果を台無しにする「悪者」では決してありません。むしろ、適切に取り入れれば、ポリフェノールによる抗酸化作用やリラクゼーション効果など、筋トレライフを支える「名脇役」として活躍する可能性があります。
ポイントは、“適量を守ること”と“トレーニングとのタイミングを見極めること”。特にレスベラトロールのような有効成分は、赤ワインに限らずサプリメントで摂取するという選択肢もあります。
筋トレは「継続」と「回復」がカギを握ります。赤ワインをうまく活用することで、身体と心の両面からトレーニング効果を高めることができるかもしれません。
「飲む or 飲まない」ではなく、「どう飲むか」を考える。それが、筋トレと赤ワインを両立させる最良のアプローチです。

Kazy・かじー
クリエイティブな事が好きなITエンジニア。
2020年にトロント🇨🇦に1年間語学留学したのち、日本と海外の情報格差を認知。
50年後に生きる情報を発信しようと決意。
2020年10月にブログ『Kazyの日常。〜Having a Better Life〜』を開設。
2024年現在で4年目のブロガーとなり、通算530,000PVのブログとなりました。
好きなバイク・DIY・カフェ・自己啓発などを主に執筆。
多数のコメントをいただきながら、楽しく毎週執筆をさせていただいております。
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